【仮想通貨と確定申告】その16 記帳方法を解説するよ チュートリアル#3
前置きなしでいきますよー。
2/1 PoloniexからZaifへ10ETH送金 送金手数料は10円
チュートリアル#1で解説した1/20の取引と同じ仕訳ですね。パスします。
2/10 Zaifにて5ETHを10万円で売却 売却益は3.75万円
売却益の仕訳。チュートリアル#2ではタックスアンサー対応のため、仮想通貨間取引を日本円換算して売却益を計上しましたね。
今回はリアルに日本円に利確した場合の仕訳です。
仕訳自体はあらためて解説するほどでもなく、単純に売却するETHと貸方、得たJPYを借方に記入するだけ。
そして差額を売買益として貸方に記入。貸借を一致させます。
注目して欲しいのが、赤で記したETHの仕入れ価格の62,500円と、売却益の37,500円。
この数字、仮想通貨間取引を単に物々交換として記帳した場合の金額と変わってくるんです。
ダウンロードコーナーに置いてある、ファイル「元帳ダウンロード(解説用)」(JPY利確版ではないほう)では、この仕訳の金額はこうなっています。
それぞれのファイルで、ETHの評価額が異なるからこのようになるんですね。
この差が生じたのは1/30です。
「JPY利確版」と「そうでないほう」の比較をします。
「そうでないほう」
2BTC=20ETH=20万円(=BTCの取得原価のまま)→1ETH=1万円
「JPY利確版」
2BTC=20ETH=25万円(=トレード時のBTCの評価額)→1ETH=1.25万円
「JPY利確版」ではETHの取得原価(1/30)が高くなるので、実際に売却(2/10)した時の売却益は低くなります。
売却益はこのように求めますね。
売却益 = 売却価格 ー 取得原価
取得原価の見積もりが高ければ、売却益は低くなります。
つまり、タックスアンサーにならって仮想通貨間取引の都度、日本円評価額から売却益を計上したとしても、通算すると利益(と税金)が増えてしまうわけではないです。
そして、仮想通貨間取引時点の日本円評価額というのも、厳密なものでなくて良いとわかります。
BTCをアルトに変えた時の正確な日本円レートなんてわからない!
などと神経質に考えなくても大丈夫です。
少々安く見積もっても、実際の利確(日本円に変えた時)のときの利益(と税金)が増えるだけですし、逆に高く見積もっていれば、その時点での利益(と税金)は増えますが、実際の利確の時の利益(と税金)は少なくなるんです。
あとから記帳する場合は、取引所から時系列データを手に入れて、取引をした日の終値を用いる、などのルールで記帳して行けば良いでしょう。
ちなみに2/10時点の売却益は、「JPY利確版」で8.75万円(1/30 5万円 + 2/10 3.75万円)、「そうでないほう」で5万円。
「JPY利確版」の方が3.75万円利益が多いじゃないかー!
という声も聞こえてきそうです。
しかしこれは、全ポジションを決済していないからですね。
3.75万円の差は商品有高帳に反映されています。
まずは「JPY利確版」の商品有高帳。
赤いラインのところが、2/10時点のETH残高、187,487.5円。
そして、「そうでないほう」の商品有高帳。
149,990円。
その差は、
187,487.5 - 149,990 ≒ 3.75万円
です。
つまり、2/10時点で「JPY利確版」の方が売却益3.75万円多いのですが、ポジションの評価額も3.75万円多いので、次回以降の利確の時に利益が少なくなり、その差がなくなるわけです。
先日のコラムでお伝えしたかったのは、まさにこのことでした。
くどいようですが、仮想通貨税制を理解する上で大切なポイントだと思いますので、繰り返させていただきました。
エクセルファイルを使って、皆様にも実感していただければと嬉しいです。