【仮想通貨と確定申告】コラム フィアットに利確しなくても課税される!?
前回のExcel元帳ダウンロードの記事、大変多くの反響をいただきありがとうございます!
はてブにてコメントをいただいたり、記事コメントでもご質問をいただいたりいたしました。読者数も少しずつ増えていてます。本当にうれしいです!この場を借りてお礼いたします。期待してくださっている方がいると思うと、もっと良い記事を書こうという励みになります。本当にありがとうございます。
さて本来なら早速Excelファイルの使用法の解説とまいりたいところなのですが、一昨日より仮想通貨界隈では、仮想通貨の税制について話題になっていました。 これは無視できない、きっと関心をお持ちの方も多いと思い、今回は税制に関するコラムと致します。
えっ、フィアットに利確しなくても課税されるの!?
それは、敬愛するヨーロピアン様のリツイートから始まりました。
な・・・なんだと!?
— 招金 (@athlete_bone) 2017年9月6日
暗号通貨の税金いつきまるの?もう9月だよ?って税務署に電話したら先月あたり国税庁HPに載りましたよ。雑所得ですよ。
仮想通貨の買い物、利確扱いだよ。他の通貨との取引もそうだよ。
もう全国一律で決まってるよってハッキリ言われたw
今から国税庁HP見ますw
ビットコインをチャージして利用できるタイプのデビットカードで使用したり、ビットコイン払い対応の店で支払ったらその時点のレートで利確したのと同一とみなすよという話かな。まあ妥当か。
— ヨーロピアン (@sen_axis) September 6, 2017
これで「課税されたくないからフィアットに利確しない、そのままビットコインとして使う」が意味がなくなった。むしろ累進課税を鑑みると毎年少しずつ利確していくのが税制的には合理的な行動になりそう。どこかで一気にドカンと利確すると5割以上持っていかれてしまう。年次で分散するしかない。
— ヨーロピアン (@sen_axis) 2017年9月6日
スレッドを追って読んでみると、
- 国税より公式発表あり。
- 仮想通貨は「雑所得」での課税と確定。
- また、仮想通貨の買い物は、利確扱いされる。つまり課税対象。
- へ?ってことはアルトコインとのトレードも利確扱い?つまり課税対象?
- さすがに含み益への課税はなさそうだよねぇ。。
といった驚きの内容。
上の招金さんのツイートに書いてある、「先月国税のHPに載った」というものはこれでしょうか。
いわゆるタックスアンサーです。
我々にとっては相当重大発表なのですが、表現はあっさりしていますね。
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
のたった一文。
さて、この一文が意味するものはいったいどんな状況なのでしょう。
仮想通貨女子として名高い、丸の内OLの玲奈様。
早速ブログ記事で解説されています!
ひゃー、恐れ入りました。知的で濃密な情報をいつもお届け下さると思っていたら、なんと税理士資格をお持ちだったのですね。この記事、絶対読んだ方が良いですよ、激しくお勧めします。
そして、以前の記事でご紹介した税理士の丸山先生の記事。
みなさまの情報のおかげで、ようやく現況を理解しました。
それを踏まえて、今回のタックスアンサーでわかった残念なポイントと、ひょっとするとラッキー?があるかもしれないというポイントをまとめてみます。
残念ポイントその1 仮想通貨での物品購入による利益へ課税!
残念、物品の購入時点で生じた利益も課税対象となりました。
ビットコインで時計を買ったら、課税。という記事。
丸山先生、記事の時点で課税となると予想されていました。さすが税理士さん。
バンドルカードでお買い物して節税、という逃げ道はこれでなくなってしまいました。
残念ポイントその2 仮想通貨間取引も課税!
はいこれ、みなさんが恐れていた決定ですよね。
仮想通貨の購入だってお買い物と同じ。時計を買ったら課税なら、仮想通貨の購入だって課税になってしまいます。
ということは、みなさん(僕)が利益確定とならないように必死に避けていた、日本円への換金。あれがまったく無意味になりました。USDT、お世話になったんですけどねー(泣笑)
仮想通貨を使って、別の通貨を購入しても、その時点で課税となります。Changelly使うたびに課税されてしまうってことですね。
含み益には課税されませんので、日本円でコインを購入、その後ガチホして年越しするのであれば非課税ですが、途中で別のコインに変えていたらその時点での損益を計算しなければなりません。その損益を通算して一年でプラスであれば課税です。
これで次回の確定申告の対象者数が一気に増えましたね。
残念ポイントその3 「雑所得」確定!
仮想通貨取引による利益は、「雑所得」扱いと確定ししました。
これは予想されていた通りでしたが、やはり残念です。
「雑所得」は総合課税となるため、累進課税で最高税率は55%(所得税+住民税)!億り人には特に厳しい、今回の決定です。20%申告分離課税となったFX店頭取引が心底うらやましい。仮想通貨は、今後の税制改正に期待するしかありませんね。
億り人が、1億円を単年度で手にするためには、2.2億円の含み益が必要!なんと税金が1.2億円です。この税金をできるだけお得に納税しようと思ったら、かなりの年月がかかりますが、複数年に分けてすこしずつ利確するしかありません。「仮想通貨間取引も課税」となることで、億り人のままで年越しすることは難しくなりますが、少しずつ利確したほうがトータルで支払う税金は安い。そう考えれば、少しは今回の決定、納得できそうでしょうか。しかし毎年ポジションを減らすことになるので、収益性は確実に低下します。つらい所ですね。
ラッキーポイント 年末はチャンス到来?
「仮想通貨間取引も課税」であれば、年末から確定申告時期にかけて、納税のためにかなり利確売りが出ることになります。現金がないと納税できませんからね。しかも、税額を計算する方法が分からない人は、億り人だろうが誰だろうが年末にすべてのポジションをクローズする必要があります。脱税覚悟でだんまりを決め込むのは論外。特に億り人の方が申告をスルーしてしまったら、追徴課税額が半端じゃないことになります。そうならないように多くの人が全ポジションクローズしたら、これは年末相場は相当大荒れになりますね。だとすればこの時期は仕込みのチャンスとなる可能性もあります!悪いことばかりじゃないですね。
そのためにも日々記帳を続けて常に利益を把握、翌年の税額を意識したトレードが重要になります。うまくやれば年末には仕込みのチャンス到来!がんばって記帳するモチベーションになりますよね。
正しい記帳を学んで、みなさんでいっしょに仕込みのチャンスを掴みましょう!
記帳の方法は?
そこなんですよね。
ちょっとだけ面倒になります。
方法としては、仮想通貨間取引の際、一度日本円に交換したものとして記帳する必要がでてきました。ただそれだけです。ただ後から記帳しようとすると、取引時点の日本円レートを調べなければいけないのでそれがめんどいんですよね。
記帳方法が変わるので、先日アップしたExcelファイルにあるサンプル取引の記帳方法では適正でなくなってしまいました。一度日本円に交換したように記帳するので仕訳帳での取引が1行増えるのと、ポジションの取得原価の評価も変化します。
また、ビットコインで時計を買った場合の記帳方法も追加します。
すでにアップロードしている「解説用」のほうのファイルは、解説記事をアップする際に対応版に更新いたします。ダウンロード済みの方はお手数ですが、解説記事を読む前に再度ダウンロードをお願いします。
軌道修正しんどいですが、今回の決定が記事を書ききったあとでなくて本当に良かった(笑)
次回より記帳方法を解説。のつもりですが、ひょっとするともう1回税制コラムをアップするかもしれません。
今回も最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。