【仮想通貨と確定申告】その6 仕入れ単価計算方法の比較
「移動平均法」とは?
前回は、実際に商品の仕入れや販売時をしたときの、「商品有高帳」へ記帳を見てみました。
そして、そこで解説した仕入れ単価の計算方法は、「移動平均法」と言われる方法でした。
取引のたびに仕入れ単価を計算しなければならないので、手間はかかりますが、取引の都度利益の金額を正確に計算することができますし、値動きの激しい仮想通貨でも適正な仕入れ額を求めることができるのがメリットです。また、みなさんの感覚にも近いんじゃないでしょうか。ナンピン買した時に、「平均買コストが〇〇円に下がった。」なんて計算したりしますよね。あれと同じ。
問題は、移動平均法を採用するためには事前に税務署に届け出を出しておかなければならないと言われていること。
最終仕入原価法以外の評価方法を選択したい場合、事業開始年度の確定申告書提出期限までに、管轄の税務署に届出をする必要があります。
事前に税務署に届け出を出しておかないと、棚卸時点の最終仕入れの単価を仕入れ単価とする「最終仕入原価法」で計算しなければならないそうです。
個人はおそらく必要ないと思いますが、事前に所轄税務署に確認しておくのが安全でしょう。個人事業や法人の場合は絶対に届け出が必要。僕は近々個人事業の開業届を税務署に提出しに行きますので、その時に一緒に届け出るつもりです。
「最終仕入原価法」とは?
以前の記事でも紹介しましたが、税務署標準の方法とされている「最終仕入原価法」では最後の仕入れ価格が仕入れ単価になります。つまり、一番最後に通貨を買った時、どんなに少ない数量で、どんなに高騰していても、それが仕入れ単価になってしまうのです!これが仮想通貨取引においては、デメリットになってしまうところです。
棚卸評価額が税金計算に与える影響は、販売業に関わっている方なら痛感されていると思いますが、普通の人はあまりピンときませんね。詳しい解説はまたの機会にゆずりますが、ここでは、これだけ理解してください。
在庫金額が高く見積もられると、税金が高くなってしまう!
なので、値動きの激しい仮想通貨では適正な在庫単価の把握がマスト。
面倒ですが「移動平均法」での記帳をオススメします。「移動平均法」なら決算をしなくても、記帳の度に利益が正確にわかるので、期末になって、「しまった、税金を払いたいけど現金がない!」という悲劇を避けることもできますしね。
今回のまとめ
仕入れ単価の計算方法は、「移動平均法」が絶対にオススメ!
次回に続きます。