暮しの仮想通貨

いっしょに考えましょう、通貨の未来について!

【仮想通貨と確定申告】その5 「商品有高帳」の記帳

はやくもシリーズ5回目。

勘の鋭い皆様はお気づきかと思います。

 

だから実際どう記帳するんだよ!

 

Excelで記帳する方法を解説するする、って言ってる割には全然Excelの話が出てこない。。

するする詐欺。

そうなんです。いや、違うんです。

 

どう説明すればわかりやすいか、考えるのがしんどくて先延ばしになっている。。

 

学生たちの夏休みも後半戦。

夏休みの宿題?僕はもちろん期末集中処理型でしたねぇ。分散並列処理(親のこと)もしくはデリゲート処理(これも親)も採用してました(笑)

いやなこと先延ばしする性格(人になすりつける性格)、一生なおりませんなぁ。あきらめモード。

 

とはいえご心配なく!ちゃんと日本円決済額から税額(正確には天引き額)を自動計算するExcelファイルはすでに完成しています!!

 

どうしよう、「すでに完成しています!!」とか、自分で書いていてものすごく詐欺っぽい(笑)

 

でも本当。実際に使っています。 ただこれをダウンロード可能にするだけでは、きっと誰もうまく使いこなせいでしょう。市販のアプリほど出来が良くないですからね。

簿記をベースに作成したExcelファイルなので、使用にあたってはまず簿記の基礎をある程度理解してもらい、その後に実際にExcelでの記帳手順を理解していただくのが結局最短距離になるのではと思っています。なので説明がもっそい遠回りになってるんです(言い訳)。

というかですね、

 

だから実際どう記帳するんだよ!

 

って思ってくれている人がひとりでもいてくれれば逆にうれしい。

まだまだ駆け出しブログでPV激低。なので現状、誰も次回記事楽しみにしていない可能性が激高い。

ただこのシリーズ、年末に向けて需要のある鉄板記事になると思っています!

納税問題がクリアになれば、仮想通貨はもう一段社会に浸透するはず!

ひとりでも多くのひとに正しく納税に備えてもらって、仮想通貨の普及に一役買いたい。その思いを胸に、今日も記事を書きましょう。

いざ、記帳!

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毎度おなじみくだもの屋さん登場。 このくだもの屋さんは昨年は正しく記帳していなかったので、前回の確定申告で懲りました。

今年からはまじめにイチからもれなく記帳してゆくことにしましたよ。

さて今年最初の仕入れは1月5日。リンゴを10個、総額200円で仕入れました。

これを簿記流に記帳すると、

リンゴ
日付 概要 受入 払出 残高
1/5 仕入 10リンゴ@20円   10リンゴ@20円

となります。

1月10日、リンゴはまだ1個も売れていませんが、リンゴが安くなったので追加仕入れ。くだもの屋さんナンピン買い(笑)

リンゴ10個を総額100円で仕入れ。 すると帳簿は、

リンゴ
日付 概要 受入 払出 残高
1/5 仕入 10リンゴ@20円   10リンゴ@20円
1/10 仕入 10リンゴ@10円   20リンゴ@15円

となります。 最終的に仕入れ総額は、1月5日の残高200円と、1月10日の仕入100円を合計して300円。在庫は20個になりました。

300円÷20リンゴ=@15円

というわけで、残高は20リンゴ@15円となります。

このように、仕入れの都度、

仕入れ総額÷仕入れ総数=仕入れ単価

を計算して仕入れ単価を求めます。

次回詳しく解説しますが、これは「移動平均法」と呼ばれる仕入れ単価の計算方法です。

そして、仕入れの記帳は常にこんな感じ。単価が高くなろうが安くなろうが計算方法に変わりはありません。 では、販売して在庫が減った場合はどうなりますか。

1月15日、リンゴ5個を200円で販売。やりました、今年初の利益です。

売却額の単価を計算すると、

200円÷5リンゴ=@40円

つまり、 5リンゴ@40円 ですね。 去年の二の舞は踏みません。今年はとにかく取引したらすぐに記帳記帳!

リンゴ
日付 概要 受入 払出 残高
1/5 仕入 10リンゴ@20円   10リンゴ@20円
1/10 仕入 10リンゴ@10円   20リンゴ@15円
1/15 売上   5リンゴ@15円 15リンゴ@15円

あれ、払出の欄、5リンゴ@40円じゃくて5リンゴ@15円なんですね。

ここがポイント。この帳簿につけるのは販売価格ではなくて、あくまで仕入価格。 取得原価を把握するのが目的なので、間違えて販売価格を記載しないようにしてください。

仕入のときは、仕入価格が変化すると残高の単価が変化しましたが、払出のときは残高の単価と同じになります。

 

ちなみにこの帳簿は、簿記の世界では「商品有高帳」と呼ばれています。在庫管理のために使われる帳簿です。

売却額はどこに記帳するの?

200円÷5リンゴ=@40円

これが売却額でした。

商品有高帳にはこの金額を記載しませんでした。では、これはどこに記帳するのでしょうか?

利益の発生など、取引のによる金銭の動きは別に「仕訳帳」と言われる帳簿に記載してゆきます。商品有高帳の上に、さらに大元となる帳簿があるんですね。

「仕訳帳」への記載についての解説はまた後日。

物々交換は?

このくだもの屋さん、リンゴとバナナを交換したり、物々交換での仕入れも得意でした。ETC/BTCの取引などは、この物々交換に相当します。

1月20日、リンゴ6個とバナナ3本を交換しました。

まずはリンゴの帳簿へ払い出しを記帳。

リンゴ
日付 概要 受入 払出 残高
1/5 仕入 10リンゴ@20円   10リンゴ@20円
1/10 仕入 10リンゴ@10円   20リンゴ@15円
1/15 売上   5リンゴ@15円 15リンゴ@15円
1/20 交換   6リンゴ@15円 9リンゴ@15円

バナナも在庫することになったので、新たにバナナの帳簿を作成。

6リンゴ×@15円=90円

ですから、

3バナナ×@?=90円

です。

つまり、

90円÷3バナナ=@30円

記帳すると、

バナナ
日付 概要 受入 払出 残高
1/20 交換 3バナナ@30円   3バナナ@30円

物々交換の記帳も簡単ですね。

くだもの屋さん、今年は安心して確定申告を迎えられそうですよ。

仮想通貨取引でも、「商品有高帳」に相当する、各通貨の帳簿の記載はこれと同じ。とても簡単です。日々手間を惜しまず、正しく記帳してゆけば、確定申告なんて怖くも面倒でもありませんよ。

2019.12.7 追記

9月に示された「タックスアンサー」により、仮想通貨間取引による利益も課税対象となりましたので、上記の3バナナ@30円とする計算は適用できなくなりました。

仮想通貨間取引では、取引時点の時価を記録しなければなりません。

りんごとバナナを交換したときに、バナナに50円の市場価値があれば、バナナの商品有高帳には3バナナ@50円と記載します。

バナナ
日付 概要 受入 払出 残高
1/20 交換 3バナナ@50円   3バナナ@50円

今回のまとめ

商品ごとに「商品有高帳」を作成して記帳。
商品の仕入原価は「移動平均法」で計算。
取引による金銭の移動は「仕訳帳」に記帳。

今回は無駄な前置きのせいもありとても長くなりましたー。おつかれさまです。

次回に続きます。

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